Category: RF電力増幅/2SK1530

前回の、その5で2SK1530パラPPを実験して、思いのほか「良くな~い」結果が出ました。
そのまま手を付けない心算でしたが、折角のケース・折角の基板が泣いてる様な・・・
と、云う訳でPP*2・・・プッシュプル・アンプの電力合成に挑戦します。

色々探しまくった回路を下に・・・
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どうもアンプの入出力インピを100ohmにしないと、合成後の出力インピは50ohmに成らないようです。
同位相の合成ですから、当たり前と云えば当たり前かな?
新たなインピ変換トランス(25:50ohm)を入れれば良い話ですが、入力側ならイザ知らず、出力側は大電力?ですからイヤです。
此れはもう、各々のアンプ入出力インピを100ohmに変えなくてはイケマセン。
そして、パラPPの基板をゴマカシテ使えるかな?これも大問題です。

結局、下の写真の様になりました。
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あ~だ、こ~だ云ってた割には綺麗に改造出来ました。
分配・合成用のトランス?は各々のアンプが同じ動作をしていれば磁束を打ち消す様に働くのでコアは小さくて大丈夫です。
それに付随してある200ohmの抵抗も同じです。
本来は片側のアンプが故障して片肺運転になった時、その電力の半分を此の抵抗が消費しなくてはイケナイのですが、そんな大きな耐電力抵抗器(ダミーロード?)を付ける訳にはいきません。(ケースよりデカクナル)
800W前後の最大ピーク時の写真を下に貼って置きます。
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興奮したせいかブレてますね!

動作もパラPPよりか良い様です。
・・・アンプは電力合成に限る・・・なんっちゃって、はっはっは。
by    JA1QVM
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最近、遊びに行った何処ぞのハムの集いで、馬鹿でかいヒートシンクの付いたケースを買いました。
見てくれは、一流メーカーの 24V-->13.8V のDC/DCコンバータ(いわゆる・デコデコ)です。
中を見たら、其れらしいトランジスタが沢山入っています。
私にとっては全く無縁の世界ですので、中身を全部取っ払ってケースを使ってみようと思います。

何に使お~かな?・・・リニアアンプしかないでしょう・・・
アンプは今の物で間に合っていますが・・・でも、実験はしたいでしょう・・・
「うん、したいしたい」・・・
と、云う事で2SK1530パラPPを実験する羽目に成りました。(ケースを買った時から決めていたんでしょ、ったく)

下に前後のパネル板をアルミ板に替えた写真を・・・
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結構重くてシッカリしています。
そして中身は・・・
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タダ単に2SK1530をパラにしたプッシュプルで回路的には全くツマラナイです。
取り出せる電力が、ほぼ2倍になると思われるので、出力側のトランスコアをTDK中型から大型に換えています。
当然LPFも大容量にしています。

さて此処でデバイスをパラにすると云う事は如何云う事か考えてみます。

1:入力容量・・・単純に2倍になると思います。
2:相互コンダクタンス(Gm)・・・MOSFETは電圧制御ですから、2倍に成るのでは。
3:出力容量・・・此れも2倍でしょう。
4:最大ドレイン損失・・・当然2倍に成ってくれないと、出力も2倍に成らないし、だいたいパラにする意味が無くなる。
5:最大出力・・・2倍に成ってくれ~

そうなんです、「5:」の為にパラにしたです。
でも、中々巧くいきません。
やっと、2倍近い出力が取り出せると思ったら、肝心なことを忘れてました。
ゲインは2倍には成らない・・・そうなんですよ、Gmが2倍になるから、単純にゲインも2倍に成ると思った私が馬鹿でした。
しかも、最大出力時(800W近い)にドレイン効率を最良にするため(そうしないと800Wは出ない) 100W前後で使うと効率がガタ落ちになります。
ドレインDC入力500WでRF出力が100W前後です。
残念ながら、此れでは、とても使う気にはなれません。
やはり此れは実験で止めておいた方が良さそうです。
by    JA1QVM
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トランスレス電源のおかげで思い切った実験ができます。
ドレイン電流を沢山流しても(10A以下ですが)90Vの電圧は殆ど下がりません・・・感謝です。
 
何時もと同じ回路ですが、下に貼って置きます。
 
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LPFの定数を少しイジッテ、最大出力時に効率が最高(60%以上)に成るよう調整しました。
シングルトーン(CW)の結果を下に・・・
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ドレイン損失が200W出力時に最大になり、その後400W時までなだらかに下がっていきます。
此のFETの最大ドレイン損出は150Wと規格表に書いてありますから、2本で150*2=300Wです。
今回の実験では250W損失まで達しているので此処まででしょう(限界を超えてますよ!)。
それにしても、此処まで出力が取り出せるとは・・・驚きです。
 
次に2トーン400Wピーク時の写真を・・・
 
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素晴らしく綺麗ですね。
こう云う波形をみると、頭が潰れ始めるのは何ワットか?知りたくなります。
・・・やってみました・・・
 
結果だけを報告します・・・・・450W・・・凄い。
其れでは最大飽和出力は如何に?
此れはシングルトーン(CW)で実験しました。
 
恐るおそる電力計を見ながらドライブ電力を上げていきます。
450Wは簡単に越えます(当たり前ですね)
・・・もう少しで500Wになるぞ~
・・・パチン、あれ、電源のヒューズが飛んだぞ。
少し変わったヒューズなので代わりが在りません。
残念ながら、実験はひとまず此処で終ります。
   by    JA1QVM
 
PS:ヒューズの飛んだ原因が判りました。
・・・あれ~2SK1530のドレイン/ソース間が短絡しているよ・・・合掌
 
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2SK1530の限界を知りたくて、悪あがきをしています。
 
ドレイン電圧を60Vで散々使っていましたが、コンプリ用で仕入れた電源トランスのおかげで80V以上掛ける事が出来ます。
此れはもう80Vで実験するっきゃ有りませんね!
 
ドレイン電圧を上げると何か良い事が有りますか?
1:同じ出力電力を取り出そうとするとドレイン電流は少なくて済む・・・・・当たり前だろ~
2:最適負荷抵抗が上がる・・・・・だから何
3:ひょっとしたらドレイン効率も上がるかもしれない・・・・・「ひょっとしたら」かよ~
4:たぶん、歪(IMD)は下がると思う・・・・・勝手に思ってなさい
 
と、云う事で実験スタート・・・
すったもんだの末に落ち着いた配線図を下に。
 
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何時もの替わり映えしない回路ですが、バイアス用の3端子レギュレータに工夫をしました。
ドレイン電圧が60Vの時はさほど気にならなかったアイドリング電流が、80Vにしたら段々増えて行く現象に遭遇・・・此れは気持が悪いです。
バイポーラ・トランジスタの熱暴走程ではないですが、一応対策しました。
回路的にはレギュレータのコモンとアース間にダイオードを順方向に2個入れて、其のダイオードをMOSFETに熱的カップリングしています。
 
当然、最適負荷抵抗が上がるので、T2の2次巻き数を4Tから3Tに減らし、関連して両ドレイン間のコンデンサも470Pにしました。
此の辺は全てカット&トライで決めていますので、悪しからず・・・・・
 
次は実際に2トーン300W(ピーク)波形の写真を・・・
 
イメージ 2
 
素晴らしいです。
頭が殆ど潰れていない・・・いったい上限の出力電力は如何ほどに成るのでしょう。
此の時の IMDを下に・・・
 
イメージ 3
 
言葉が出ません。
 
以上、此のMOSFETの限界に?挑戦した、いちアマチュアの戯言でした。
くれぐれも、同じ事をしようとする人は自己責任でお願いします。  by    JA1QVM
 
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最近、此の手のアンプ(7MHz/100W前後)を2台ほど作ったせいか新鮮さが無くなり、制作意欲が落ちています。
何か新しい事を始めなくては、と思いながら3台目を作りました。
結局、何事も無く出来上がり(細かい調整は当然ありました)性能も一番よろしいようです。
驚いた事に低周波用デバイスですがゲインが思いの他採れて、NFBも充分掛けられました。
下に簡単なデータを書きます。
 
7MHzモノバンド/200W リニアAMP
使用デバイス・・・・・2SK1530 P.P (低周波電力増幅用MOSFETなのでゲインがどれ程か興味が有りました)
供給電圧・・・・・・・・60V(定電圧電源は使ってないです)
最大出力・・・・・・・・200W以上(此の時のドライブ電力は3Wでした。因みにドレイン電流は7A以上)
3rd IMD・・・・・・・・写真参照(こんな良い訳はない?????)
 
いい加減に作った証拠写真を・・・
 
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お次は2トーン波形を 100W/200W
 
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見飽きたけど綺麗ですね。 次は200W。
 
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此方も今迄の200Wの中では一番綺麗です。
 
そして、IMD/100W
 
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続きまして、IMD/150W
 
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殆ど変わりませんね・・・
最後に、IMD/200Wです。
 
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う~んオカシイ・・・こんな良い筈はないぞ。 ほっぺたをツネッテみるか・・・
 
と、云う訳で上手く行き過ぎて拍子抜けしたAMPの研究発表会でした。
同じ事をしようとする人は必ず自己責任でおやり下さい。
最後に7MHzでこんなにゲインが採れましたから 14MHzでも此のFETは使えると思います。
        by    JA1QVM
 
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